バレエを踊るとき、「重心を意識しましょう」と言われることがあります。
私もこれまで、重心について学ぶ機会がありました。けれど、知識として知っていることと、実際に身体でできることは、必ずしも同じではありません。
最近、私があらためて意識するようになったのは、支持基底面に身体の重さを預けるという感覚です。
立っているとき、座っているとき、床に長座しているとき。それぞれの姿勢で、自分の身体を支えている土台を感じてみると、身体の使い方に少しずつ変化がありました。
今回は、重心と支持基底面の違いを整理しながら、私自身が感じた変化について書いてみたいと思います。
重心と支持基底面は同じではない
まず、重心と支持基底面は別のものです。
重心とは、身体全体の重さが平均的に集まると考えられる点のことです。姿勢や身体の動きによって、その位置は変化します。
一方、支持基底面とは、身体が床や椅子などの支持面に接している部分をもとにできる、身体を支える範囲のことです。
たとえば、立っているときは、左右の足裏の接地範囲を含む領域が支持基底面になります。
静止しているとき、重心から真下に伸びる鉛直線が支持基底面の範囲内にあると、姿勢を保ちやすくなります。
つまり、重心そのものと、身体を支える土台は別のものなのです。

支持基底面に身体の重さを預けてみる
私が最近意識しているのは、重心を無理に動かそうとするのではなく、身体の重さを支えている土台に預けるように感じることです。
立っているときは、足裏全体。
椅子に座っているときは、坐骨と足裏。
床に長座しているときは、坐骨から足のかかとまで。
実際の支持基底面は、身体が床や椅子に触れている範囲によって変わりますが、私はこうした接触部分を意識すると、身体を支える土台を感じやすくなります。
長座では、立っているときよりも前後に長い範囲で床に身体を預けることができます。その範囲を感じながら、頭を上に保つようにしてみます。」
長座の時は、坐骨からかかとまでが支持基底面。
ここでいう「頭を高く保つ」は、首に力を入れて頭を引き上げることではありません。首を固めず、頭が自由に動ける状態を保つことを意識しています。
私にとっては、頭を高く保つことと、身体の重さを土台に預けることを同時に考えるのがポイントです。
自分の重さの預け方の癖に気づいた
この感覚を試してみると、自分の身体には重さの預け方の癖があることにも気づきました。
立っているとき、私はかかとの後ろ側に重さが偏りやすい傾向があります。
また、椅子に座るときには、坐骨の尖った部分よりも仙骨に近い側に体重を預けてしまうことがあります。
そこで、立っているときは足裏全体に、座っているときは坐骨と足裏に、長座では坐骨からかかとまでの接触範囲に意識を向けてみます。
どこか一か所に力を入れて支えるのではなく、身体が支えられている範囲を感じてみるのです。
すると、今まで気づかなかった身体の偏りに気づきやすくなりました。
バレエの立ち姿勢でも変化を感じた

この感覚は、バレエの立ち姿勢でも試しています。
パラレルで立つときには、足裏全体で床に立っている感覚を大切にします。
以前の私は、かかとの後ろ側に重さが集まりやすかったのですが、足裏全体を感じるようにすると、足元の支え方が少し変わるように感じます。
1番ポジションでは、アンディオールした状態で足裏の接地を感じます。
私の場合、パラレルのときとは少し違い、太ももの前側というより内ももに近いところから、すねを通って足元へつながるような感覚があります。また、以前よりも母指球の近くや、かかとの前側にも重さを感じることがあります。
ただし、これはあくまで私自身の身体感覚です。実際の重心線が必ずその部分を通るという意味ではありません。
足の形や身体の使い方、アンディオールの程度によっても感じ方は異なると思います。
大切なのは、決まった場所に無理やり重さを移すことではなく、自分の足裏がどのように床に接しているかに気づくことだと感じています。
上体の反り返りが減り、背中側が長くなる
私には、骨盤が後傾しながら前方へ移動するような癖があると感じることがあります。
そのため、バランスを取ろうとして、上体が後ろに反り返ってしまうことがありました。
以前、身体の使い方を学んだ際に、骨盤を後方へ動かしながら後傾させるような身体操作について教わったことがあります。
ただ、私自身の動きが解剖学的にどのような骨盤の動きになっているのか、正確に確認できているわけではありません。ここでは、あくまで自分が感じている動きとして書いています。
最近、支持基底面に身体の重さを預けることを意識すると、上体が後ろに反り返りにくくなり、背中側が長くなるように感じます。
また、お腹を意識的に固めなくても、身体の中心が自然に支えられるような感覚があります。
背中側の筋肉も、無理に力を入れて使うというより、身体を起こしておくために自然に働いているように感じます。
もちろん、筋肉の働きを実際に測定したわけではありません。これは、私自身が動いたときに感じた変化です。
それでも、腹筋に力を入れて姿勢を保とうとしていたときより、呼吸もしやすく、身体全体が楽に立てるように感じています。
重心を頑張って動かすのではなく、身体を支える土台を感じる
重心について考えると、つい「どこに重心を置けばよいのか」「どこに体重を移せばよいのか」と考えてしまいます。
けれど、最近の私にとって大切なのは、重心を無理に動かそうとすることではありません。
まずは、自分の身体がどこで支えられているのかに気づくこと。
立っているときは足裏、座っているときは坐骨や足裏、長座では床に接している広い範囲。
その土台に身体の重さを預けるように感じながら、頭は自由に高く保つ。
このように考えると、姿勢を力で作ろうとするのとは違った感覚が生まれます。
まだ試している途中ですが、これからもバレエの立ち姿勢や動きの中で、身体を支える土台と重心の関係を探っていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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