「頭を高くして」と言われても分からないあなたへ

「『頭を高くして』と言われても分からない人へ。自然な姿勢と身体のバランスを表したバレリーナのアイキャッチ画像」 身体の正解を探して

― 学びと気づきから見えてきた、私なりの身体の使い方 ―

頭を高くして。


バレエを習っていると、一度は耳にしたことがある言葉ではないでしょうか。


私も、バレエを始めた頃から何度もそう言われてきました。


そのたびに、
「頭が天井からつられているように。」


「耳の後ろを上げるように。」


そんなイメージを教えていただき、一生懸命試していました。


でも、正直に言うと、当時の私にはよく分かりませんでした。


「これで合っているのかな。」


そう思っても、その感覚は長く続きません。


少しすると、また元の姿勢に戻ってしまうのです。


私は、「私の意識が足りないからかな」「もっと頑張らなければいけないのかな」と思っていました。


でも今振り返ると、そうではありませんでした。


40代になり、身体について学び始め、解剖学やボディマッピング、アレクサンダー・テクニークなどに触れる中で、少しずつ身体の見え方が変わっていきました。


そしてある日、「私にはこのイメージが分かりやすい」と感じるものに出会いました。


それは、「頭から胸骨が静かにぶら下がっている」というイメージです。


これは誰にでも当てはまる正解ではありません。


私自身が、学びを積み重ね、自分の身体で試していく中で、しっくりきたイメージです。


このイメージを思い出すと、無理に首を伸ばそうとしなくても、頭が自然に高い位置へ戻るように感じます。


すると、不思議なことに、腰が楽になり、肩の力が抜け、足裏も自然に床を感じやすくなりました。


この記事では、
「頭を高くして」とは何なのか。


頑張って首を伸ばすこととは何が違うのか。


そして、私自身が長年の学びの中で気づいたことを、解剖学やボディマッピングの考え方も交えながら、一緒に考えていきたいと思います。

 「頭を高くして」と言われても、分からなかった私へ


「頭を高くして。」


この言葉は、とても短い言葉です。


でも、その意味を身体で理解することは、決して簡単ではありませんでした。


私も長い間、「頭を高くする」と聞くたびに、首を一生懸命伸ばそうとしていました。


ところが、頑張れば頑張るほど、首や肩に力が入り、かえって苦しくなってしまいます。


「先生がおっしゃっていることは分かるのに、自分の身体ではできない。」


そんなもどかしさを何度も感じました。


今なら思うのです。


「頭を高くして」という言葉は、頭を無理に持ち上げ続けることではなかったのかもしれない。


そう考えるようになってから、身体の使い方が少しずつ変わり始めました。

 頭は首で持ち上げるものではない?


「頭を高くして」と言われると、多くの人は首を頑張って伸ばそうとします。


私もそうでした。


でも、首を頑張って伸ばそうとすると、肩に力が入り、胸が固くなり、呼吸まで浅くなってしまうことがありました。


では、「頭を高くする」とは、本当に首を頑張って伸ばすことなのでしょうか。


身体について学ぶ中で、私は少し違う見方をするようになりました。


頭は、首の筋肉だけで持ち上げるものではなく、身体全体のバランスの中で支えられているという考え方です。


つまり、首だけを頑張るのではなく、頭・首・胸・背骨・骨盤・足までがつながって働くことで、頭は自然と高い位置でバランスしやすくなるのです。


このことを知ったとき、「頭を高くして」という言葉の意味が少し変わって見えるようになりました。

 私には、一つのイメージが助けになりました


ここで一つお伝えしたいことがあります。


これから書くことは、誰にでも当てはまる方法ではありません。


私自身が、身体について学び、自分で試し続ける中で、「私には分かりやすかった」と感じたイメージです。


それが、
「頭から胸骨が静かにぶら下がっている」
というイメージでした。

そのイメージの中では、胸骨から両腕も自然にぶら下がっているように感じています。 


このイメージを思い浮かべると、不思議なくらい首を頑張らなくなりました。


「頭を持ち上げよう」と力むことも少なくなりました。


すると、頭が自然に一番高い位置へ戻るような感覚が生まれたのです。

私には、「頭から胸骨が静かにぶら下がっている」というイメージがあります。

さらに、そのイメージを思い浮かべると、鎖骨や上腕骨まで自然にバランスが整ってくるように感じます。

もちろん、これは私自身の身体感覚です。

でも、この感覚があると肩を無理に下げようとしなくても、肩まわりの力が抜け、腕も楽に動かせるようになりました。

私にとって、「頭を高くする」ということは、頭だけの問題ではなく、胸骨、鎖骨、上腕骨へとつながる身体全体のバランスを感じることでもあります。 

もちろん、これは私だけの身体の感じ方かもしれません。


だから、「これが正解です」とお伝えしたいのではありません。


身体の感じ方は、一人ひとり違います。


でも、学びを積み重ねながら、自分の身体で試していくと、「これなら分かる」というイメージに出会えることがあります。


私にとっては、それが「頭から胸骨が静かにぶら下がっている」というイメージでした。


頭の下に胸骨を描き、頭と胸骨を細い補助線で結んだイメージ図。
※実際に糸でつながっているという意味ではなく、「私の中で身体を感じやすくするイメージ」である

頭が高いと感じると、身体はどう変わったのか


「頭が高くなる。」
最初は、その変化は頭や首だけに起こるものだと思っていました。


でも実際には、私が一番驚いたのは、身体全体が変わったことでした。


まず感じたのは、足裏です。


頭が自然に一番高い位置でバランスしていると感じられると、無理に床を押そうとしなくても、足裏が自然に床を感じられるようになりました。


「踏もう」と頑張らなくても、身体全体で立てているような感覚です。


これは、以前の記事でお話しした「床を押す」という感覚とも、私の中ではつながっています。


次に変わったのは、腰でした。


仕事や家事など、何かに集中していると、私はいつの間にかその感覚を忘れてしまいます。
そして、腰に違和感を覚えます。


「あ、また腰が痛くなってきた。」


そんなとき、私は自分の身体を責めるのではなく、
「頭は今、どうなっているかな。」


と、そっと確認するようになりました。


すると、多くの場合、頭が自然なバランスの位置から離れていることに気づきます。


そこで、私に合っているイメージを思い出します。


「頭から胸骨が静かにぶら下がっている。」
そのイメージを思い浮かべると、頭が自然に高い位置へ戻り、それとともに腰の負担も和らぐことが何度もありました。


 私には「頭が落ちた」と分かるサインがあります


今でも、いつも頭が一番高い位置にあるわけではありません。


私も、仕事や日常生活に集中していると、気づかないうちに元の身体の使い方へ戻っています。


でも以前と違うのは、気づけるようになったことです。


私には、「頭が落ちているかもしれない」と感じるサインがあります。


例えば、
腰が痛くなる。


肩が上がりやすくなる。


腰が丸く座り込むような感覚になる。


膝が少し曲がりやすくなる。


そして、もう一つあります。


私には、頭と胸とお腹が近づいてしまったように感じることがあります。


あくまで、私自身が身体の変化に気づくための感覚です。


だから私は、
「あ、また頭が下がっていたんだ。」

と気づくことができます。


そして、そのたびに無理に姿勢を正そうとはせず、自分に合うイメージを思い出しながら、身体がバランスしやすい状態へ戻るようにしています。

 大切なのは、「頑張り続けること」ではなく、「気づいて戻ること」


私は以前、
「頭を高くし続けなければいけない。」


そう思っていました。


でも今は、少し違います。


人は、生活していれば姿勢も変わります。


集中すれば身体の使い方も変わります。


だから、「ずっと完璧な姿勢」を目指す必要はないのかもしれません。


それよりも、
「あ、今は少し頭が下がっているかもしれない。」


そう気づき、
また身体が楽にバランスできるところへ戻ってくる。


その繰り返しが、私にとっては何より大切でした。

 まとめ|「頭を高くして」の答えは、一人ひとり違っていい


「頭を高くして。」
バレエでは、ごく当たり前のように使われる言葉です。


でも、その短い言葉の意味を身体で理解することは、決して簡単ではありません。


私も長い間、分かりませんでした。


首を頑張って伸ばしたり、姿勢を正そうと意識したり、いろいろ試しました。


それでも、本当の意味では理解できませんでした。


身体について学び、たくさんのことを試し、自分自身の身体と向き合う中で、私には「頭から胸骨が静かにぶら下がっている」というイメージが、頭の高さを感じる助けになりました。


もちろん、このイメージが誰にでも合うとは思っていません。


身体の感じ方や、分かりやすいイメージは、人それぞれ違うからです。


だからこそ、この記事で一番お伝えしたかったことは、「この方法が正解です」ということではありません。


学びを重ね、自分の身体で試し、「私にはこれが分かりやすい」と感じられるものに出会うこと。


その積み重ねが、身体への理解を少しずつ深めてくれるのだと思います。


もし今、「頭を高くして」と言われても分からないと感じている方がいたら、焦らなくても大丈夫です。


私も、すぐには分かりませんでした。


でも、身体について学び、自分自身の感覚を大切にしながら試していくことで、少しずつ見えてくることがあります。


この記事が、その小さなきっかけになれたなら、とても嬉しく思います。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


バレエでは、「もっと引き上げて」「肩を下げて」「軸を感じて」など、短い言葉で伝えられることがたくさんあります。


でも、その言葉の意味を身体で理解するには、人それぞれ時間が必要なのだと思います。


このブログでは、私自身が学び、悩み、試しながら気づいてきたことを、読者の皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。


この記事が、皆さんにとって、ご自身の身体と向き合う小さなヒントになれば幸いです。


最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
「身体は、一日で変わるものではありません。でも、身体への見方は、一つの気づきで変わることがあります。」

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