迫田典子先生のエモーショナルトレーニング・ワークショップに参加して

「迫田典子先生のワークショップに参加したバレエ受講者の集合写真」 身体の正解を探して

バレエを踊っていると、
「もっと大きく動いて」
「もっと力を出して」
「もっと表現して」
と言われることがあります。


でも、そう言われても、
「どうしたらいいんだろう?」
と、頭で考えてしまうことはありませんか。


私自身、そんな経験があります。


今回、以前からお世話になっている瀬川智子先生のスタジオ、ソフィアバレエロイヤル宮原スタジオ・ブリリアンシーで、迫田典子先生のエモーショナルトレーニング・ワークショップが開催され、参加させていただきました。


ワークショップは、迫田先生のお話を伺うところから始まりました。


その後は、実際に身体を動かしながら、いろいろな体験をしていきます。


普段のバレエレッスンとは少し違う動きの中で、自分の身体がどんなふうに反応するのか。


実際にやってみるまで分からないことが、たくさんありました。


そして、最初の体験から、私にとって印象に残ることが起こりました。

迫田先生のお話から始まったワークショップ


ワークショップの最初は、迫田先生からお話を伺いました。


参加者みんなで先生のお話を聞き、その後、実際に身体を動かしていきます。


最初は、
「これからどんなことをするんだろう?」
という気持ちでした。
ところが、実際に身体を動かしてみると、頭で考えているだけでは分からなかったことが、少しずつ見えてきました。

まずは二人一組で「押す・引く」


最初のほうで行ったのが、二人一組になって、相手と手を合わせて「押す・引く」を体験することでした。


相手に触れて、実際に押したり引いたりします。
シンプルな動きなのですが、ここで私の中に、とても印象に残った体験がありました。さ


相手を押すときに、
「もっと先まで押し続ける」
ということを意識してみたのです。


相手の手だけを押すのではなく、その先へ。


さらに、その先へ。


私の中では、スタジオの外まで押していくような感覚でした。


すると、不思議なことに、
「もっと先」を意識したときのほうが、力が出たのです。


「もっと力を出そう」と頑張ったわけではありません。


ただ、押す先を変えただけ。


それなのに、身体から出てくる力の感じ方が違いました。


このときに迫田先生がおっしゃった、
「目的を持つと力が出る」
という言葉が心に残りました。

「力を出す」って、頑張ることだけではないのかもしれない


私はこれまで、「力を出す」というと、
「もっと頑張る」
「もっと力を入れる」
ということを考えがちでした。


でも、このときは少し違いました。


力を出そうと頑張ったのではなく、
「もっと先まで押す」という目的を持った。


その結果として、力が出た。


この違いが、とても面白かったのです。


頭で考えているだけなら、
「先まで押すと力が出るのかな?」
で終わっていたかもしれません。


実際に身体を使ってみたからこそ、
「あ、本当に違う」
と感じることができました。

相手に触れずに「押す・かわす」


その後は、相手に触れずに「押す」「かわす」という動きも体験しました。


先ほどは、相手と手を合わせていました。


今度は、相手には触れません。


同じ「押す」という言葉でも、実際に身体を動かしてみると、条件が変われば身体の反応も変わります。


相手との距離を感じながら動く。


相手の動きを感じながら、自分も動く。


写真を見返してみると、身体をかなり大きく使っています。
でも、そのとき私は、
「身体を大きく動かそう」
と考えていたわけではありません。


相手との関係の中で動いていると、自然と身体が反応していく。


そのことも印象に残りました。

バーを使った綱引きで、重心の違いに気づく


その後には、バーを使った綱引きも行いました。


実際にバーを持って、押したり引いたりします。


ここで、私は自分の重心について、面白いことに気づきました。


相手と押す、かわしと、バーを持って押し引きしたときでは、
前足と後ろ足、どちらに重心を感じるかが逆になっていたのです。


同じように「力を出している」つもりでも、身体の使い方は同じではありませんでした。


相手と直接触れる。


相手には触れない。


バーを介して力をやり取りする。


条件が変わると、自分の身体の反応も変わる。


これは、実際に身体を動かしてみたからこそ分かったことでした。

『白鳥の湖』のロットバルトになって鬼ごっこ!


そして、ワークショップでは、『白鳥の湖』のロットバルトになって鬼ごっこもしました
これが、とても印象に残っています
ロットバルトになって鬼ごっこ
始まってみると、私はかなり必死になっていました。


なぜなら、
「捕まりたくない!」
と思ったからです。


逃げることに必死になる。
捕まりたくないから、一生懸命逃げる。


その気持ちがあると、身体も自然に動きます。


でも、そこで迫田先生から教えていただいたことが、私にとってとても大切な気づきになりました。

「自分だけ」ではなく、周りを見る


鬼ごっこでは、ただ必死に逃げればよいわけではありませんでした。


周りにいる人たちを見る。


今、自分はどこにいるのか。


周りの人はどこにいるのか。


次にどこへ行けばよいのか。


自分の目の前だけを見るのではなく、周り全体を見ることも教えていただきました。


私は、「捕まりたくない!」という気持ちが強くなると、自分の中に入り込んでしまいます。


一生懸命になるほど、周りが見えなくなる。


そんな自分の傾向にも、今回の体験を通して気づきました。


逃げることに必死になりながらも、周りを見る。


人との距離を見る。


相手との間合いを感じる。


そして、自分がどこへ動けばよいのかを考える。


これが、私にはとても面白い体験でした。

「捕まりたくない!」と思ったら、身体が大きく動いた


鬼ごっこのとき、私は、
「もっと大きく動こう」
「もっと速く動こう」
と考えていたわけではありません。


ただ、
「捕まりたくない!」
と思っていました。


すると、逃げる。


相手を見る。


周りを見る。


方向を変える。


人との距離を感じる。


そして身体を動かす。


気がつくと、身体が大きく動いていました。


普段のバレエでは、
「もっと大きく動いて」
と言われることがあります。


でも、「もっと大きく」と言われたからといって、すぐに身体が大きく動くとは限りません。


ところが、このときは違いました。

大きく動こうと頑張ったわけではないのに、大きく動いていた。


そこには、
「捕まりたくない」
という、はっきりした目的がありました。
そして、もう一つ。


自分の中だけに入り込むのではなく、周りを見る。


相手との距離や間合いを見る。


これは、普段のバレエにもつながる大切な感覚かもしれないと感じました。


舞台でも、レッスンでも、自分だけで動いているわけではありません。


一緒に踊っている人がいて、その人との距離があり、空間があります。


今回の鬼ごっこは、そんな「自分と周りとの関係」を身体で感じる体験にもなりました。


最初に体験した、
「もっと先まで押す」
ということとも、私の中ではつながって感じられました。

身体を動かしてみると、分かることがある


今回のワークショップでは、
相手と手を合わせて押す・引く。

もっと先まで押す。


相手に触れずに押す・かわす。


バーを使って綱引きをする。


そして、ロットバルトになって鬼ごっこをする。


さまざまな体験をしました。


一つひとつは違う動きです。


それでも私の中に残ったのは、
目的や状況が変わると、自分の身体の反応も変わる
ということでした。


特に、「もっと先まで押す」と意識したときと、「捕まりたくない!」と思って動いたとき。


どちらも、私が「もっと力を出そう」と頑張ったわけではありません。


それでも身体から出てくる力や動きが変わりました。


そして鬼ごっこでは、自分の中に入り込むだけではなく、周りを見ることの大切さも感じました。


相手との距離。


人との間合い。


自分がいる場所。


周りの人の動き。


そうしたものを見ながら動くことで、自分の身体だけではなく、自分と周囲との関係の中で身体を動かすという感覚にもつながったように思います。


これは、頭で考えているだけでは分からなかったことです。


実際に身体を動かしたからこそ、
「あ、こういうことなのかもしれない」
と、自分の中で感じることができました。

「目的を持つと力が出る」という言葉が残った


今回、特に心に残ったのが、迫田先生の、
「目的を持つと力が出る」
という言葉でした。


「もっと先まで押す」ときも、
「捕まりたくない!」と思って逃げるときも、
そこには自分の中に、はっきりとした目的がありました。


そして、その目的によって、身体の動きが変わった。


ワークショップが終わってからも、この言葉について考えていました。


そして私の中では、
「目的を持つと力が宿る」
という言葉になりました。


先生の「目的を持つと力が出る」という言葉を、実際に自分の身体で体験した私が感じたことです。


「もっと力を出そう」と力むのではなく、目的を持ったときに、身体の中から力が出てくる。


私には、その感覚が「力が宿る」という言葉に近く感じられたのです。

これからのバレエでも思い出してみたい


ワークショップを終えてから、自分のバレエについても考えました。


レッスンで、
「もっと大きく」
「もっと強く」
と言われたとき、私はつい「どうやって?」と考えてしまいます。


でも今回の体験を思い出すと、
私は何をしたいんだろう?」
と考えてみるのもいいのかもしれません。


どこへ向かいたいのか。


何を伝えたいのか。


何を表現したいのか。


そして、自分だけに意識を向けるのではなく、周りにいる人や空間との関係も感じながら動く。


今回の鬼ごっこで感じた「周りを見る」ということも、これからのバレエの中で意識してみたいと思っています。


今回、私が体験したのは一度のワークショップです。
だから、これからまた違う体験をしたら、感じ方も変わるかもしれません。


でも今は、
「目的を持つと力が出る」
という迫田先生の言葉を、自分の身体で感じたことを大切にしてみたいと思います。

おわりに


今回、迫田典子先生のエモーショナルトレーニング・ワークショップに参加して、普段のバレエレッスンとは違う方法で、自分の身体を体験することができました。


相手と手を合わせて押す・引く。


もっと先まで押す。


相手に触れずに押す・かわす。


バーを使って綱引きをする。
そして、ロットバルトになって鬼ごっこをする。


どれも、実際に身体を動かしたからこそ分かったことでした。


特に印象に残ったのは、
「もっと先まで押す」と意識したときに、力が出たこと。


そして、
「捕まりたくない!」と必死になりながらも、周りを見ることで、人との距離や間合いを感じながら動けたこと。


自分の中に入り込んでしまいがちな私にとって、これはとても良い気づきになりました。


そして、私の中に残ったのは、
「目的を持つと力が出る」
という迫田先生の言葉。


そこから私自身が感じた、
「目的を持つと力が宿る」
という感覚でした。


この言葉が、これからバレエを踊るときに、どんなふうにつながっていくのか。


そして、自分の身体だけではなく、周りの人や空間との関係を感じながら踊ることで、どんな変化があるのか。


それも楽しみにしながら、今回の体験を大切にしていきたいと思います。


迫田先生、貴重な学びと体験をありがとうございました。


そして、このような学びの機会をつくってくださった、瀬川智子先生にも心より感謝いたします。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


 

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