〜身体を部分ではなく、つながりで見るという視点〜
「骨盤を立てて」と言われても、どうすればいいのか分かりませんでした
「骨盤を立てて。」
バレエを習っている方なら、一度は耳にしたことがある言葉ではないでしょうか。
私も19歳でバレエを始めてから、この言葉を何度も聞いてきました。
でも、正直に言うと、私は長い間その意味がよく分かりませんでした。
腰を反らせればいいのだろうか。
お腹を引き上げればいいのだろうか。
お尻に力を入れればいいのだろうか。
先生の言葉を一つひとつ試してみても、「これだ」と思える感覚にはなかなか出会えませんでした。
レッスンが終わる頃には腰が疲れ、「私は骨盤を立てることが苦手なんだ」と思っていた時期もあります。
今振り返ると、私は「骨盤を立てる」という一つの言葉の答えを、骨盤だけに求めていたように思います。
この記事では、「骨盤を立てる方法」をお伝えしたいのではありません。
長年悩み、ボディマッピングやアレクサンダー・テクニークを学びながら、自分の身体を観察してきた中で、今、私が感じていることを書いてみたいと思います。
骨盤だけを考えている頃は、答えが見つかりませんでした
当時の私は、「骨盤を立てる」と聞くと、骨盤だけを何とか動かそうとしていました。
でも、思うようには変わりません。
先生からいただくさまざまなアドバイスの中には、自分の身体に合うと感じるものもありました。
一方で、「どうすればいいのだろう」と分からないまま終わってしまうものもありました。
その頃は、「骨盤」という一つの部分ばかりに意識が向き、身体全体との関係を見る余裕はありませんでした。
今思えば、それが私にとって一番大きな思い込みだったのかもしれません。

背骨には、生まれつき自然なカーブがあります
身体について学び始めてから、私の考え方は少しずつ変わりました。
そのきっかけの一つが、背骨には生理的カーブがあるということでした。
背骨は一本の棒ではありません。
首には前へのカーブがあり、胸には後ろへのカーブがあり、腰には再び前へのカーブがあります。
つまり、骨盤は大切な土台ですが、骨盤だけで姿勢が決まるわけではありません。
頭の位置。
胸郭の広がり。
背骨の自然なカーブ。
股関節の状態。
こうした身体全体のつながりの中で、骨盤も働いています。
このことを少しずつ理解するようになってから、「骨盤だけを立てよう」と考えることが少なくなりました。

骨盤は背骨の土台ですが、身体全体のつながりの中で働いています。
身体を「部分」ではなく「つながり」で見るようになってから

ボディマッピングやアレクサンダー・テクニークを学び、自分の身体を観察するようになってから、私の身体の見方は大きく変わりました。
「骨盤をどう動かそうか」と考えるよりも、
「身体全体はどのようにつながっているのだろう」
と考える時間が増えたのです。
その中で、私自身が特に変化を感じたのは、頭の位置でした。
頭が無理なく高い位置にあると、背骨全体が以前より自然に長く感じられます。
すると、不思議なことに、骨盤だけを一生懸命動かそうとしなくても、以前より立ちやすく感じることが増えてきました。
ここで一つお伝えしたいことがあります。
私は「頭を高くすれば、誰でも骨盤が立つ」と言いたいのではありません。
これは、あくまでも私自身が身体を観察する中で感じてきた変化です。
だからこそ、一つの経験として読んでいただけたら嬉しく思います。
今、私が考える「骨盤を立てる」ということ
今、「骨盤を立てるとはどういうことですか?」と聞かれたら、以前とは少し違う答えをすると思います。
以前の私は、「骨盤を立てる」という言葉を、そのまま骨盤の動きとして考えていました。
でも今は、骨盤だけを動かそうとしても、私の身体は変わりませんでした。
その理由の一つは、背骨には生理的なカーブがあり、骨盤だけが独立して働いているわけではないからです。
頭、胸郭、背骨、骨盤、股関節、脚。
身体はそれぞれがつながり、お互いに影響し合っています。
だから私の場合は、骨盤だけを意識するよりも、身体全体のつながりを感じるようになってから、以前より自然に立ちやすくなりました。
ここで大切なのは、「骨盤を忘れてしまう」という意味ではありません。
骨盤はとても大切です。
ただ、骨盤だけを切り離して考えるより、身体全体との関係の中で考える方が、私には理解しやすかったということです。
「身体は一つのチーム」
頭
↓
胸郭
↓
背骨(生理的カーブ)
↓
骨盤
↓
股関節
↓
脚
それぞれを一本の矢印ではなく、ゆるやかにつながる流れで表現します。
一つの部分だけを変えようとするより、身体全体のつながりを見ることで、新しい気づきが生まれることがあります。
今も私は身体を観察し続けています
この記事を書きながら改めて感じたことがあります。
それは、身体は学べば学ぶほど、「これが唯一の正解」と言い切れないということです。
最近の私は、頭を無理なく高い位置に保ちやすくするために、胸郭や胸骨との関係にも関心を持っています。
まだ自分自身で観察を続けている途中ですが、そのようなイメージが今の私には心地よく感じられています。
だから、このブログでは「こうすれば必ず良くなります」とは書きません。
それよりも、
「私はこう感じました。」
「私にはこんな変化がありました。」
という、一人の大人バレエ愛好家としての経験をお伝えしたいと思っています。
もし、その中に皆さんの身体にも当てはまるヒントがあれば、とても嬉しく思います。

「観察することから始める」
– 「今日は頭は楽かな?」
– 「呼吸は止まっていないかな?」
– 「股関節は力んでいないかな?」
身体を評価するのではなく、観察することから始めてみましょう。
おわりに
私は40代になってから、自分の身体を学び直しました。
若い頃よりできることが増えたわけではありません。
でも、身体を見る視点は確実に変わりました。
以前は、「できる」「できない」ばかり気にしていました。
今は、「今日は身体がどう感じているだろう」と観察する時間を大切にしています。
その積み重ねが、少しずつですが、私のバレエを変えてくれました。
この記事でお伝えしたことは、あくまでも私自身が身体を観察する中で感じてきたことです。
身体の感じ方は一人ひとり違います。
だから、この記事を読んでくださった皆さんにも、「これが正解」ではなく、「こんな見方もあるのかもしれない」と受け取っていただけたら嬉しく思います。
もし今、「骨盤を立てて」という言葉に悩んでいるなら、骨盤だけではなく、身体全体のつながりにも少し目を向けてみてください。
その中に、あなた自身の身体が教えてくれる新しい発見があるかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
私自身も、まだ学びの途中です。
だからこそ、このブログでは「教える」というより、「一緒に考える」ことを大切にしていきたいと思っています。
この記事が、ご自身の身体と向き合う小さなきっかけになれば、とても嬉しく思います。
これからも、50代からのバレエや身体の使い方について、学んだことや感じたことを、読者の皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
また次の記事でお会いできることを楽しみにしています。


