こんにちは。
バレエを愛する皆さま、そして「自分の身体をもっと深く知りたい」と感じている皆さまへ。
レッスンで「真っ直ぐ立って!」と言われると、つい背中を固めて頑張ってしまいませんか?実は、身体を支える力は「一本の棒」ではなく、もっとしなやかな「たすき掛け」のような形をしているのかもしれません。
今日は、私がアレクサンダー・テクニークや日々のレッスンで発見した、物理学や医科学でも説明がつく「身体の仕組み」を分かち合いたいと思います。
「こういう考え方もあるんだな」と、一つのヒントとして楽しんでいただければ幸いです。
背中ではなく「中」で支える
「背筋を伸ばそう」とするとき、私たちはつい背中側にあるトゲトゲした骨(棘突起)を意識しがちです。
でも、実際に体重をしっかり支えてくれる太い柱は、もっとお腹側、身体の厚みの中心より少し前にある「椎体(ついたい)」という部分だと言われています。
背中の表面を固めるのではなく、身体の中を通る「本当の柱」に重心を預けてみる。
そう思うだけで、首や肩の力がふっと抜けることがあります。
これは「頑張る」のをお休みして、「骨」に任せるという考え方です。
【イメージ】全身を貫く「魔法のたすき(X)」

【身体の中心を通るエックス】

この中心の柱を軸にして、私たちの体には大きな「X」のような力の流れがあると考えてみるとどうでしょうか。
ちょうど「お腹の真ん中(おへその横あたり)」で力が交差する、タスキ掛けのイメージです。
① 右の肩 ↔ おへその横を通る ↔ 左の足裏
② 左の肩 ↔ おへその横を通る ↔ 右の足裏
この斜めの繋がりは、ダンス医科学(IADMS)でも大切にされている視点です。
右手を伸ばすとき、反対側の左足がそっと床を支えてくれる。全身がチームで助け合っているのですね。
足もとの「小さなクロス」がスイッチ
担当 部位 パワーの目安
回すリーダー 股関節 60 〜 70 %
つなぐクッション 膝・すね 10 %
安定の仕上げ 足首・足裏 20 〜 30 %
全身の大きな「X」を機能させるためのスイッチ。
それが、足もとの「役割分担」です。
足首の担当分(30%)で、外に逃げようとする「踵(かかと)」を、あえて「内側へ留めて」みてください。
すると、外へ回る力と内へ留める力が足首でガチッと噛み合い(拮抗)、土踏まずが内部からふっくらと持ち上がります。
まるで弾力のあるクッションのような足裏の完成です。
ゴールは「内踝(うちくるぶし)の下」へ
踵を内側に留めるブレーキが効くと、重心は自然に、そして正確に「内踝の真下」にストンと戻ってきます。
ここは、身体の深い柱から床までが真っ直ぐに繋がる、一番楽で強いスポットです。
このスポットに乗れると…
重心が安定し、首や肩の「フリーズ(固まり)」が自然に解けます。
足裏が縮こまらず、床を広く柔らかく捉えられるようになります。
無理に踏ん張らなくても、身体が勝手に整い始めます。
おわりに
「こうしなきゃいけない」という厳しいルールではなく、「身体が喜ぶ方向」を探していく。
そんな風にバレエと向き合えたら素敵ですよね。
もしレッスンで「軸がグラグラするな」と感じたら、この「魔法のX」や「踵のブレーキ」を思い出してみてください。
ほんの少し、身体が軽くなるかもしれません。

